新型コロナ苦境にある中小・零細企業に支援強化を!
日本共産党の太田秀子議員は2020年3月24日、予算特別委員会で新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に立たされる中小・小規模事業所への支援について質問しました。
資金繰りの支援強化、苦境に寄り添った対応を
太田議員は、「昨年からの日韓関係悪化、10月からの消費税増税で厳しさが増しているところにコロナウイルスの感染拡大で、中小・小規模事業所が急激な売り上げの減少に陥り”コロナ倒産”が起きている」と強調。その資金繰りを支援する「新型コロナウイルス対応支援資金」(予算690億円、売上高が前年同月比10%以上減少など)を創設したが、「これまで何件の相談があったのか、どのような相談体制か」と質問しました。
産業振興部長は、「昨日までに2,426件で、相談体制は通常4名の相談員と1名の事務員で運営しているが、来所者が急増しており相談ブースを4カ所から10カ所に増設し、相談員も最大14名の体制としている」とのべました。
太田議員は、融資制度を利用するには必要書類を持参して審査を受ける必要があるが、お店の運営などすべてが自前の小規模事業者には大きな負担とのべ、「相談者に応じて柔軟に対応すべき」と質問すると、市橋部長は、「日報あるいはレシート、通帳などそれぞれの事業者が用意できる資料で申請を可能としている」「必要な書類についてもアドバイスなど、相談者に寄り添った対応に心がけている」と答えました。
国の補助制度では不十分 事業者の経営と労働者の賃金が保障されない
太田議員は、今回の感染症対策として、国が「雇用調整助成金の特例措置」を講じたが、それは事業者が休業した際に、労働者の休業手当分1名1日当たり8,330円を上限に補助(国の補助4/5)するもので、賃金の10割を補償しようとすれば上限を超えた分は事業者の負担となり、それができなければ労働者は賃金の4/5以下で我慢することになると指摘しました。
また、「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」がつくられ、小学校などが臨時休業し、それによって保護者が休暇を取らざるを得ない場合に、事業者に1名1日当り8,330円を上限に補助(国の補助4/5)するものだが、事業者が上限を上回る分を負担し、賃金を全額支払うことが申請の前提であり補助の条件だとのべました。
国の基準を上回る市独自の給付を上乗せすべき
太田議員は、いずれも国からの補助は後から事業者に支払われるものなので、融資制度を利用することになり、利息も発生するとのべ、「国の基準を上回って負担する事業者に対し、市が独自の給付を上乗せすべき」と質問しました。
雇用推進部長は、「北海道は特例措置が講じられており、一定程度の事業者負担の緩和で地域の実情が考慮された制度になっている」「助成制度の充実について必要に応じて要望していきたい」とのべました。
太田議員は、特例措置があっても、なお申請すらできない事業所があり、給与をもらえない労働者を作ることになるとのべ、「国には4/5ではなく、全額助成すべきだと求めるとともに、本市は思い切った補正予算を組んで、中小企業の雇用と経営を支えるべきだ」と求めました。