物価エネルギー高騰対策等に関する緊急要望

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札幌市長 秋元克広 様
2023年5月15日
日本共産党札幌市議団
団長 池田 由美

物価エネルギー高騰対策等に関する緊急要望

物価高騰による負担増は、民間調査会社の調査で22、23年度を通じて13万円を超えると試算されているほか、実質賃金が12カ月連続でマイナスになり、経済の6割を占める個人消費は冷え込み、実体経済が縮小する原因となっています。
とりわけ食料品や光熱費など基礎的支出の値上りが顕著で、今後、大幅な電気料金の値上げも見込まれることも考慮し、生活困窮に直面する市民が増えることがないよう、物価やエネルギーの高騰からくらしと営業を守る抜本的な対策を打ち出すことが急務と考えます。
秋元市長においては、政府の交付金や道の負担金の範囲にとどまらず物価高騰対策には独自財源を投入することも含めた物価高騰対策を求めるとともに、肉付け予算にあたっても、冬季五輪招致の取りやめなど不要不急の事業を見直して、家計を直接あたため、地域経済の底上げに貢献する経済対策を重視し、くらしや福祉、子育てを最優先とするよう以下について要望するものです。

  1. 低所得者・生活困窮者対策
  • 住民税非課税世帯などに3万円を支給する国の「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金」(仮称)に、市独自の上乗せを実施するとともに、給付対象については、世帯全員が住民税非課税ではない場合についても、仮に年収200万円以下などであれば給付対象とすることや、申請が必要な「家計急変世帯」について独自の対象拡大を図るなど、広く物価高騰に苦しむ市民に行き渡るようにすること
  • 低所得者・生活困窮者を含めた一般家庭向けの物価高騰支援として、電気料金やLPガス料金など光熱費の負担軽減を実施すること
  • 子ども食堂への支援継続・強化とともに、食糧支援活動・フードバンク事業、ホームレス支援を強化すること
  • 生活福祉資金については、返済猶予とともに返済免除についても対象を拡充し、相談体制の強化を図るよう国に働きかけること
  • オール電化の市営住宅(グリーンピア篠路北、菊水上町)の入居者からは、家賃よりも電気代が高くなり、「年金が消えた」いう悲痛な叫びが寄せられていることから、北電や北海道と連携し、市営住宅を含めオール電化住宅の電気料金軽減策を講じること
  • 水道基本料金の減免措置を再度実施し、一般家庭に加えて中小事業者を追加するなど対象拡大を図り、減免期間についても拡大すること
  1. 事業所及び医療機関・福祉施設、難病患者等への支援
  • 医療機関、高齢者施設、障がい者施設等の光熱費の増加にたいする負担軽減策は、北海道の対策にとどめず、本市として軽減策を講じること。特に、新型コロナが第5類に移行し無料検査がなくなることで、陽性者が増える可能性があるため、かかり増し経費についても物価高騰による増加を見込み十分な予算を確保し、通所や訪問介護の事業所についてもスクリーニング検査キットの配布対象とするなど、医療や福祉施設への支援を強化すること
  • 過剰債務により資金繰り倒産に追い込まれないよう、返済が開始されたコロナ特例の「ゼロゼロ融資」は、「別枠債務」として扱い、債権放棄を可能とするよう国や道に働きかけ、市内事業者が新規の融資を受けられ、事業再生に進めるようにすること
  • 電気料金の高止まりが、人工呼吸器を使用するALS・筋ジストロフィー患者、在宅酸素療法で酸素濃縮器が欠かせない心臓病患者、低肺患者の負担増を招いているため、「在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成事業」を実施する北海道との連携や、市独自の負担軽減策を含め、難病患者等の支援策を拡充すること
  1. 子育て支援について
  • 子ども医療費無料化を高校卒業まで拡大すること
  • 子どもの国保料均等割の負担を18歳まで無料とすること
  • 22年度に実施した学校給食費の食材費高騰分の支援にとどめず、学校給食費無償化の検討を開始すること
  • 保育料の3歳児未満の負担をなくし、副食費の無料化を実施すること
  1. 若者支援等について
  • 札幌市奨学金(給付型)の対象拡大など高等教育において負担軽減を図ること
  • 「生理の貧困」対策として、学校等公共施設トイレへの生理用品の配置を行うこと
  • 国に対して消費税5%への緊急減税をおこない、インボイスの導入中止を求めること

以上